居るのはつらいよ 東畑開人(医学書院)
読む前は、ある場所に「いる」のが辛いという話がメインかと思っていましたが、読み終わってみるとちょっと違いました。
日常→ケアとセラピー→市場経済と、だいぶ規模が大きかったです。
推測でしかありませんが、作者も人の心に値段がついていることに怒っているのではないかと感じました。
ケアは現状維持、セラピーは変革、ケアとセラピーの違いも勉強になりました。
確かに、就労移行支援も今仕事をさせていただいている特例子会社も最初は「居ること」で、慣れてきたあたりで「頭を使うこと」に変化しています。
自分の場合は、頭を使って悩む方が安心なので、居るだけの時間は苦痛でしたが…
心に値段をつけるのに怒ってるのではないかと感じるのは、316ページの”会計の声”あたりからです。
形のないものに値段をつける、私もよく分からない行為だと思います。
こういう医療系だけでなく、裁判で過去起きたことに対してお気持ちを考慮して値段をつけるなども、最初に始めちゃった人は誰なのよと感じます。
形あるものに値段をつけるなら1万歩譲って許すとしても、形が無いものに値段を付けたのは悪手だったんじゃないかなぁ…
ほどほどに活動してほどほどに休息する。
人間としてそういう風に生きていくにはどういう仕組みになればいいやら。
お金というもう誰にも制御できない仕組みが動いている限りは無理なんでしょうか…